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6)環日本海経済圏を睨んだゲートウェイ拠点(F地域(舞鶴周辺)/臨港型)
舞鶴港を核とした当地域では、主に海上輸送を支援する臨港型の物流拠点整備が求められる。そして、当地域では環日本海の対岸諸国に開かれているといった立地上の特性を生かし、主にロシア、中国といった対岸諸国を対象とした国際色の強い物流拠点整備が望まれる。
近年の中国の著しい経済成長を背景に製品輸入は増加する傾向にあり、当地域では、京都縦貫自動車道整備の促進を図りながら、内陸の消費地や日本海側の諸都市を背後圏としつつ、大阪湾ベイエリアの代替機能を果たすといった輸出入対応型の施設整備が求められる。そのため、コンテナターミナルの整備や輸入製品の販売を行う施設整備を行う等の輸入対応機能の強化に加え、流通加工機能を高めるため、加工輸出に対応した組立工場の隻積の促進が望まれる。
また、舞鶴港は北海道方面とフェリーで直結されていることから、フェリーターミナルに隣接したトラックターミナル機能を整備するなどにより、海上輸送へのモーダルシフトを積極的に推進することによって自動車交通量の削減に寄与していくことが求められる。
特に、臨港型の物流拠点は災害時において、地域防災拠点としての役割を担うとともに、大阪湾ベイエリアの代替機能を果たすべく、余裕を持たせた柔軟性のある施設整備を進めていくことが重要である。

 

[特に優先的に整備が望まれる導入機能の例]
・コンテナターミナル
・フェリーターミナルに隣接したトラックターミナル機能
・輸出入貨物対応機能
・流通加工機能
・加工輸出に対応した組立工場の集積

 

7)世界に開かれた製品輸入対応型の総合物流拠点(G地域(ベイエリア)/臨港型)当地域は日本を代表する港湾である神戸港、大阪港をはじめ、複数の港湾が連続して整備されている地域であることから、臨港型の物流拠点整備を進めていくことが望まれる。
わが国の輸入貨物のうち製品・半製品のウェイトが高まるなか、近畿圏の輸出入貨物の取扱のほとんどを占めるこの地域では、コンテナ対応の施設整備を進めていくのに加え、商業機能、情報機能、品質管理機能等の充実を図るなど、製品輸入対応型の施設整備を進めていくことは極めて重要である。増加する輸入に対応していくためには輸入製品の販売等を行う輸入対応型の機能整備についても併せて進めていく必要がある。
また、港湾における取扱貨物が変化して行くにつれて、背後圏も隣接する工業地帯から内陸の消費地へと移っていく傾向にあることから、臨港型の物流拠点の配送機能の充実を図り、効率よく迅速な消費地への物資供給を実現することが求められる。

 

 

 

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